お菓子をはじめとする商品で、世の中へおいしさ、楽しさ、満足を提供する企業、不二家。創業100年以上のこのタイミングで、VI(ビジュアル・アイデンティティ ブランドの価値やコンセプトをビジュアル化したもののこと)のリニューアルを実施しました。D&AD Awardsやグッドデザイン賞も受賞し、高く評価されるリニューアルプロジェクトです。
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大内 健太郎クリエイティブ局
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鈴木 千尋第3ビジネス
プロデュース局
営業3部
ブランドを知り、
何を残すか。何を変えるか。
大内 : 創業114年になる不二家様。事業が拡大する中で、お店や商品ごと、不二家の「マーク」が乱立していることが課題となっていました。お菓子のおいしさは進化させながらも、ブランドとしてのイメージを統一しようとしたのがVIリニューアルの背景です。不二家様の想いを世の中へ伝え、そして不二家様で働く皆さんも新VIのもとにひとつとなれるような。コミュニケーションの核をつくろうとしました。
鈴木 : 不二家様は以前よりお取引があり、長い時間をかけて関係性を築いてきました。関係性は、日々の積み重ねによってつくられるものだと意識しています。関係性が重要だったのは、クオラス社内でも同じです。完全な分業ではなく、コンセプトをつくる段階はみんなで考える。ある程度形が見えたら、それぞれの立場から頑張る。そういった具合に、協力したり、専門分野を活かしたりしながら、上手く動けたチームだったと思います。
大内 : VIのコンセプトを考えるにあたっては、今ある不二家様のブランドイメージも大切にしました。今のブランドを理解した上で、どう残し、どう変えるか。外部のグラフィックデザイナーとともに、アウトプットへ落とし込んでいきました。ペコちゃんの口元を意識したスマイルマークは、不二家様の社内にも、お客様からも好評だと聞いています。
VIを起点に、社内外の
コミュニケーションが生まれる。
鈴木 : 実制作に入ってからは、ブランドプロデューサーの腕の見せどころでした。制作物の量が多く、スケジュールもずらせない。いつまでに、何を、誰が、どのようにつくり、確認して、どこの印刷会社やグッズ制作会社に依頼をするのか。間違えられない完璧な管理と進行ができたと思っています。グッズとしてスマイルマークの入ったトートバッグをつくったのですが、街中でそれを持っている人を見かけたとき、とても達成感を感じましたね。
大内 : 今回のVIリニューアルで、D&AD Awardsやグッドデザイン賞などの賞を受賞しています。もちろん賞そのものは目的ではない。加えてVIのリニューアルは、単なるロゴの改定や見た目の変更でもありません。不二家様の社内コミュニケーションも、社外へ向けたコミュニケーションも設計する。VIを起点に、ブランドそのものをつくりあげていくプロジェクトでした。だからこそ広告賞をはじめとして、広く世の中に評価いただけたことは嬉しく思います。もちろん、そういったひとつの目的へ向けて、クオラス社内のコミュニケーション設計もプロジェクト成功のカギでした。みなで一丸となり、ブランドに貢献した事例となったのではないでしょうか。
Credits
Brand Producer = 佐藤貴広・鈴木千尋・穂坂のえ (Business Activation Unit.)
Creative Director = 大内健太郎
Art Director / VI Designer = 6D 木住野彰悟